引越しのときに悩ましいのが粗大ゴミの処分。
現在のお住まいで使用中の家具・家電の中には、新居には持って行かずに処分するものも一つや二つ出てくるものです。粗大ゴミはその名の通り「大きいゴミ」なので、運び出しにとても苦労するものですね。
ところで、この”粗大ゴミ”がどれくらいの大きさ、種類であれば粗大ゴミ扱いになるかご存知でしょうか?
粗大ゴミの定義や処分方法は自治体によって異なります。そのため、お住まいの自治体のホームページや市報を確認して粗大ゴミを処分する必要がありますが、実は自治体によって多少の違いはあれど、共通部分があるのです。
その共通部分を知っておくと便利です。粗大ゴミの処分方法の大体の流れを把握しておけば、引越しという一大イベントをよりスムーズに進めることができます。
今回は引越しに役立つ豆知識として粗大ゴミの処分方法について解説します。
目次
粗大ゴミ=「一辺が30cm超えるもの」が一般的
関西でも定義が違うが大体30cm超えるかどうかが一つの目安
粗大ゴミは市町村で異なりますが、どれくらい違いがあるのかを具体的に見てみましょう。
関西圏主要都市と東京、名古屋を比べてみました。
■市町村別粗大ゴミの定義 ※2017年8月時点、machi-do.com調べ
都道府県 | 市町村 | 粗大ゴミの定義 |
大阪府 | 大阪市 | 最大の辺または径が30cmを超えるもの、あるいは棒状で1mを超えるもの また、家庭の引越しや大掃除などで一時的に多量に出されるごみ |
大阪府 | 堺市 | 最大辺又は径の長さがおおむね30センチメートルを超える耐久消費財等 |
兵庫県 | 神戸市 | 大型家具、自転車、粗大ごみなど ・45リットルの指定袋に入れて、口をしっかり結ぶことができない大きさのもの ・45リットルの指定袋に入っても、単品で5kgを超える重さのもの |
京都府 | 京都市 | 燃やすごみでは集められない大型のごみ 引越しや大掃除,庭木のせん定など一時的に多く出たごみ |
東京都 | 世田谷区 ※東京23区内最大人口 |
一辺の長さが30センチメートルを超えるごみ(30センチメートル以下に解体しても粗大ごみ) |
愛知県 | 名古屋市 | 30センチ角を超える大型ごみ |
上記をご覧いただく大阪市や堺市では「一辺が30cmを超える」ものになっています。一方、神戸市は45リットルの指定袋に入らないもの、京都市はざっくり「燃やすゴミでは集められない大型のゴミ」と必ずしも統一されていないことがわかります。
それでは他府県はどうでしょう。東京や名古屋といった京阪神と同じ大都市に目を移してみます。東京23区内で最大人口を誇る世田谷区や名古屋市を見てみると「30cmを超えるゴミ」が対象となっていて大阪市や堺市とほぼ同じ定義となっているのがわかります。
定義は厳密には違えど、大まかには30cmを超えるゴミは粗大ゴミと考えてもいいのではないでしょうか。
【補足】大阪の市町村の粗大ゴミの定義(抜粋)
大阪府内の市町村のうち、幾つかピックアップして粗大ゴミの取り扱いを調べてみました↓
■市町村別粗大ゴミの定義(大阪府市町村) ※2017年8月時点、machi-do.com調べ
都道府県 | 市町村 | 粗大ゴミの定義 |
大阪府 | 大阪市 | 最大の辺または径が30cmを超えるもの、あるいは棒状で1mを超えるもの また、家庭の引越しや大掃除などで一時的に多量に出されるごみ |
大阪府 | 堺市 | 最大辺又は径の長さがおおむね30センチメートルを超える耐久消費財等 |
大阪府 | 豊中市 | ◯最大の辺または、径が30cm以上の電気機械器具 ◯市指定ごみ袋に入らない大きなもの(電気機械器具以外のもの) |
大阪府 | 池田市 | 灯油ポリ容器18Lより大きいごみと空き缶・空きびん以外の燃えないごみ |
大阪府 | 吹田市 | たんす、布団など、小型複雑ごみの大きさを超えるもの(60cm以上)で収集処理できるもの |
大阪府 | 茨木市 | 小型粗大ごみは、大きさが約30センチメートル以上1メートル未満のごみ、ガラス類、飲食品用、化粧品びん以外のびん、大型粗大ごみは大きさが1メートル以上のごみ |
大阪府 | 枚方市 | 「大型ごみ(有料)」は粗ごみに該当。市が指定する「指定品目」と、幅・奥行き・高さのうち1辺が1メートル以上の「サイズ判断品目」
例) (サイズ判断品目)スチール棚・食器棚など、(指定品目)自転車・電子レンジ・スプリングマットレスなど |
結果的には30cm以上が一定基準になっているものの統一されていません。ざっくり調べた感覚としては30cmを基準にしている市町村が半分程度といった印象を受けます。
住んでいる市町村の公式情報を見てみてくださいね。
「一辺が30cmを超える」とはこういうこと
一辺が30cmを超えると書いてきましたが、一応考え方を補足しておきます(意外と勘違いする人がいる)。
例えば「横幅25cm、縦25cm、奥行20cm」であれば粗大ゴミとはなりませんが、「横幅35cm、縦25cm、奥行20cm」であれば、粗大ゴミの扱いとなります。一辺がどれか一つでも30cmを超えると、粗大ゴミということです。
決して三辺の合計ではないですので気をつけてください(宅急便などの荷物は三辺の合計値と重量で料金が決まりますが、今回は一辺です)
粗大ゴミの処分は有料
粗大ゴミの処分は、大きく3つの段取りになります。
①自治体に収集申し込み、②処分手数料シールの購入、③指定場所への運び出し、が必要になるのが一般的です。
それでは①〜③を具体的に見ていきましょう。
①自治体へ収集申し込み
まずは自治体に粗大ゴミ収集の申し込みをします。電話の連絡先は、自治体が用意するゴミ収集窓口で、「ゴミ収集受付センター」といった名称の窓口になります(※自治体によって呼び名は異なりますが、大体こういう名前が付いています)。
申し込みにあたっては、電話を基本としている自治体が多いです。なかにはインターネットでの受付を行っている自治体もありますが、まだまだ少ないのが実情です。
また、FAXについても同様に少ないです。FAXについては、難聴や言語機能障がいがあり、電話での申し込みが難しい方用として用意していると案内している自治体が多く、基本は電話受付になります。
申し込みの際には、粗大ゴミの品目や数量などの情報を伝えましょう。これをもとに、収集センター(自治体)のほうで、収集日や受付番号、品目ごとの処分手数料を案内されますので、その内容をメモして控えておきます。
②処分手数料シールの購入
①で案内された処分手数料の支払いを次に行います。
この処分手数料はシールでコンビニやスーパーなどで販売されていて、それを購入することで処分料の支払いが完了ということになります。
この購入したシールを処分を申し込んだ粗大ゴミに貼り付けます(貼り付けるとはがせないようになっています)。
③指定場所への運び出し
処分手数料シールを貼り付けた粗大ゴミを指定の場所に持って行きます。指定の場所へは自力で持って行かなくてはなりません。指定の場所は、家の前でいい場合もあれば、町内のゴミ捨て場所まで持って行く等は自治体によって異なりますが、玄関や家の中まで取りに来てくれるわけではありません。
もし自力で難しい場合には、自治体が指定する民間の処分専門業者に頼んだり、引っ越し業者に新居への荷物の運搬のついでに処分品の引き取りもお願いする必要があります。
粗大ゴミの処分は専門業者や引越し業者に頼むこともできる
今回の特集のように引っ越しであれば、引っ越し業者に一緒にお願いするほうが楽でしょう。処分品がとても多い場合には、専門の処分業者にお任せしたほうが安くなる可能性が高いですが、一人暮らしなどで処分品が3つ〜4つであれば引っ越し業者に任せてしまうほうが安上がりになることが多いのでは?と思います。
この記事を書いている私もつい先日の引っ越しで、専門の処分業者にお願いするパターン、引っ越し業者にお願いするパターンの両方を比較してみましたが、(処分品4つをお願いした私は)引っ越し業者にお願いするほうが安上がりでとても負担が少なかった(引っ越しのときに一回の作業で全部済ますことができる)のでとてもよかったですね。
家電には「家電リサイクル法対象品」がある
家電リサイクル法対象品は自治体は処分しない
「家電リサイクル法」というのを聞いたことがありますか。
これは資源の有効活用と粗大ゴミの処分における自治体の負荷低減のために定められたもので、指定の品目に限っては自治体では処分を行いません。
指定の品目というのは、エアコン、冷蔵庫(冷凍庫)、テレビ、洗濯機(乾燥機)の4品目。
この4つに限っては、①家電量販店などに処分をお願いするか、②家電リサイクル券というのを郵便局で買って指定の場所に持ち込む必要があります。
処分品を持ち込む「指定場所」は結構遠い
この”指定場所”というのは、注意が必要です。
というのも、家電リサイクル法対象品の回収は自治体が運営するものではありませんから、家のすぐ近くにあるということは珍しいです。県下に数えるほどしかありませんから、多くの人が車でも片道30分、1時間はかけて運んで持って行くということになります。
■家電リサイクル法対象品 指定引き取り場所
このエアコンや冷蔵庫、洗濯機といった家電は全て大型機器ですので運搬が大変です。一人で持とうとすると必ず腰を痛めます。
運搬にあたっては、専門の運搬業者というのもあるのでこちらにお願いするのもいいかもしれませんし、「粗大ゴミ」の説明でも書いた通り、引っ越し業者に依頼することができます。
ちなみに、私が引っ越し業者にお願いしたのは、冷蔵庫、洗濯機、デスク、シングルベッド。冷蔵庫、洗濯機が家電リサイクル法対象品、デスク、シングルベッドは(自治体の処分する)粗大ゴミであるように、処分品を家電リサイクル法対象品、粗大ゴミすべてまとめて引っ越し業者にお願いすることもできます。
まとめ
今回の引越し特集では、粗大ゴミ、家電リサイクル法対象品の処分方法をまとめてみました。
粗大ゴミというと、自治体によって異なるとはいえ、基本的なやり方は共通しているため、それを押さえておくと、忙しい引越しというイベントを余裕を持って準備から完了ができるものです。
最後に、おさらいしておきましょう。
「一辺が30cm以上」が粗大ゴミ扱いが一般的
粗大ゴミは「①自治体に申し込み→②処分手数料シール買う→③指定場所に運び出す」
家電リサイクル法対象4品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機)は、自治体では処分しないため、家電量販店や業者へ依頼して処分
です。
引越しが決まったら是非役立ててください。