スーツといえば、平日日中の仕事着です。オフィスカジュアルが進んだ昨今でもネクタイはしなくてもスーツは着ますよね。
そんなスーツを着る生活を10年以上過ごしている私ですが、スーツはいつもおなじみの紳士服屋の定型スーツ、いわゆる「吊るし」とか「既製服」とか言われるものを買っています。
私の場合、一応まだ若いほうなので若いブランドのP.S.FAやORIHICA、スーツカンパニーで買っていて、ネットでもスーツを買ったりもしています。
それで何不自由のない生活をしていてまたスーツをネットで買ってみようかなと思っていたら、たまたまオーダースーツが安く買えるらしいと聞きつけて知ったのがSuit Ya
というお店。
このSuit Yaというお店は店舗を持たないネット専業のブランドで、ベトナムの工場でオーダーから縫製というまさにネットとグローバルをフル活用することで、オーダースーツを安く提供できているのだとか。上下1着29,800円〜あるようです。
私は過去に一度もオーダースーツを作ったことがありません。その理由はズバリ高いから。でも、そんな私でも1着29,800円となると試してみたくなるもの。
29,800円といえば吊るしのスーツの定価がそれくらいですし逆にもっと高いものもありますから、この値段でオーダースーツが作れるなら頼んでみようということで実際に購入してみました。
今回購入してみて気づいたことなどを書いておきたいと思います。
目次
オーダースーツ初心者の私
オーダースーツには3種類ある
まず私のようにオーダースーツを買ったことがない方向けに少しだけ解説しておくと、オーダースーツでもレベルがあります。
自由度 フルオーダー>イージーオーダー>パターンオーダー
金額 フルオーダー>イージーオーダー>パターンオーダー
今回Suit Yaでオーダースーツを頼むにあたって、そもそもオーダースーツといっても色々あったよなーと思って調べてみました。
フルオーダーは、自分の体型の型紙を一から起こして生地を裁断して作るので一番高いオーダースーツです。
一番安価と言われているパターンオーダーはあらかじめ決められた型紙を使って着丈や袖丈、裾丈など丈を修正が可能なタイプで既製品に近いと言われることもあるオーダースーツ。
真ん中のイージーオーダーは、フルオーダーとパターンオーダーの中間に位置するもので、型紙は既製のものをベースにしつつも着丈、袖丈、裾丈などのタテの調整だけでなく肩補正なども修正が可能と言われています。
メーカーによって作り方は様々なもので若干の違いはありますが、大まかにはこのように分かれるのが一般的です。
Suit Yaはイージーオーダー
この色々なレベルのあるオーダースーツですが、Suit Yaの場合はイージーオーダーに当たるようです。
オーダースーツが29,800円で手に入る
価格帯は最安29,800円ですが、34,800円、39,800円、47,800円、59,800円、69,800円といった価格帯も用意されています。
シンプル、スタンダードな生地は29,800円でも用意されていて、高級な生地やデザイン性の高いものになるにつれて価格も高くなるといった印象です。
私の場合は、割とスタンダードなものがほしかったので29,800円のものから選びましたが、生地にもとことんこだわる人にとってもきっと十分なラインナップなのではないでしょうか。高価格帯の生地は見るからに良い生地です。
Suit Yaの採寸方法は3つ
さて、今度はオーダースーツの要ともなる採寸です。お店に行けば店員さん、テラーの方が採寸してくれますが、ネットとなると採寸方法が気になりますね。
Suit Yaの採寸方法は3つあります。
A. 自分で測る
B. お気に入りのスーツのサイズを自分で測る
C. お気に入りのスーツを工場に送る
私が行った方法はAです。Aで採寸後にサイズをSuit Yaのスタッフの方が確認して違和感があったり珍しいサイズだとサイズ再確認の依頼がきて、再確認の際にはBを使いました。
詳しくは後述していますが、この採寸がオーダースーツをネットで頼むのに一番不安だったことでしたが、色々な工夫がなされていて素人の私でもできました。
Suit Yaのオーダースーツ注文の流れ
Suit Ya
の注文の流れは大きく3つです。
- 生地を選ぶ
- デザインを選ぶ
- サイズを入力する
まずは①生地を選ぶところから始まります。「生地から選ぶ」のはオーダースーツの醍醐味ですね。
オーダースーツが初めてで普段は吊るししか買ったことのない私からすると、このステップにテンションが上がります。
さらに②デザインを選ぶところでも、カット方法やボタン、裏地まで自分好みにする経験なんてないですからこんなにパターンがあるのかと新鮮なことだらけで「こうやって選ぶのか!」という感動があります。
逆に今まで本当にスーツのこと知らなかったなと少し恥ずかしい気持ちにもなります。
さて、生地とデザインを選んだ後は先に決済を済ませることになります。購入した後に③サイズ入力画面に飛ぶようになっています。
このサイズ入力が自分はとても心配だったのですが、次章で書いた通り素人でもできました。
注文手順の詳細は実際の購入時の画面を使って後述しています。
自分のサイズの目安を教えてくれるので自分で採寸も可能
上述の採寸方法のうち、私は「A. 自分で測る」を選びました。
一部妻の協力を得ながら採寸しましたが、私も妻もアパレル業界とは縁のない素人なのできちんと測れるか不安に思ったのですが、たぶん大丈夫だったと思います。
というのも、あらかじめ目安のサイズを教えてくれるのですね。身長と体重を入力すると一般的なサイズを教えてくれます。これが全くの素人の採寸に非常に助かります。目安が分かれば極端に外しはしなくなりますよね。

また、測り方も丁寧に教えてくれます。測り方が本当に合っているか不安に思うものですが、採寸画面のヘルプ機能が充実していて、動画でも測り方を教えてくれます。
サイズ入力欄をクリックすると、入力欄の下に動画が現れるような工夫がされていて、サイズ入力画面と同一画面で測り方の動画をみられるのはとても便利です。

これが採寸の不安を和らげてくれました。
安心の保証制度(ジャストサイズ保証)がある
ネット購入はやっぱり心配事があります。採寸方法も購入者自らが行える工夫が施されていますが、中にはサイズ感が少し違ったといったことも当然出てきます。これはネットに限った話ではないかもしれません。
そういったときでも初回購入、1着目は無料で補正対応してくれる「ジャストサイズ保証」という制度が用意されています。
ジャストサイズ保証にも2つの方法があって、1つ目はSuit Yaに品物を返送して補正してもらう方法、2つ目は最寄りのリメイクショップで補正してその費用をSuit Yaのクーポン券をプレゼントする方法です(スーツ最大5,000円、シャツ最大2,000円)。
ただし、1つ目の方法では工場返送の輸送費は個人負担となりますので注意が必要です(ベトナムへの国際郵便となる分高くなります)
Suit Yaの納期
Suit Yaの納期は約45〜50日です。サイズ確認後から45〜50日となっています。
受注状況によって若干前後することもあるようで、トップページの上段にある「現在お届けまで●●日」の表示は私が購入したときは45日でしたが、違うとkにみると49日のときもありました。
オーダースーツの納期は一般的に1ヶ月〜2ヶ月はかかるようで普通の水準だと思います。ただ、ベトナム工場から輸送してくることを考えると関税などを経由してくるわけで逆に早いほうかもしれませんね。
オーダースーツ注文手順【画像付き解説】
注文手順① 生地を選ぶ
生地を選びます。たくさんの生地があります。
価格帯は最安の29,800円のほか、34,800円、39,800円、47,800円、59,800円、69,800円から選びます。
私の場合はまずはシンプル、スタンダードな生地にしました。ダークネイビーのヘリンボーン生地の29,800円のものです。「Merino Wool Super 100 ヘリンボーン ネイビー(品番:BK8010)」というやつです。

今はラインナップが変わっていて同品番はありませんが、同じネイビーでも暗めのネイビー(ダークネイビー)からサックスブルーと明るい色までラインナップも豊富です。
私はダークネイビーのBK8010を選びました。
なお、Suit Yaのホームページの写真も生地によっては写真数などに違ったりと情報量にばらつきがあります(売れ筋ラインは写真だけでなく動画まで用意してあります)。
生地の違いはサンプル生地を請求すると無料でもらえるので実物で比較すると良いでしょう。
注文手順② デザインを選ぶ
続いてはデザインです。デザインできるのは以下の通り。
- ボタン
- ラペル
- ベント
- ポケット
- 袖口
- パンツ裾
- タック
- 裏地
- 裏地柄
- ボタン柄
- パンツ
- ベスト
<追加オプション>
- ネーム刺繍
- ボタンホール色
- AMFステッチ
- AMF糸色指定
- サイドアジャスター
- ラペル幅指定
- 肩パッド
- 胸ポケット
- 車椅子仕様
- パンツ滑り止め
- タキシード仕様
- ベルトループ
初心者の私にとってはこんなにも選ぶところあんの?!と驚きました。
結構気をつけて見ないと気づかないところばかりなのですが、これもオーダースーツならではのディティールへのこだわり。
このディティールを画面の案内に沿って順に選んでいくだけでデザインが完成します。

またSuit Ya
のオーダースーツでは、袖口の本切羽や水牛ボタンも標準仕様で選べたりします。他のオーダースーツだとオプション料金のことが多いようですが、Suit Yaでは標準で選べます。

デザインが完成すると確認画面が出ますので間違いがないかを確認しましょう。
ちなみに、私の場合は、オプションを2つ選択しましたので、+2,000円となっています。ラペル幅指定(スリム 7cm、+1,000円)とパンツの滑り止め(+1,000円)を選びました。

その後はサイズ入力の前に、決済に進みます。お届け先情報、支払い方法を選び決済をします(クレジットカード払い、銀行振込が選べます)。
サイズ入力はこの後ですが、お届け先情報の入力時に身長と体重を入れる箇所があります。

注文手順③ サイズを入力する
②でデザイン選択後に決済も終わった後にサイズ入力画面が出ますが、これが上述の通り、非常に入力しやすい工夫が施されています。
まず、決済完了後には下記の「採寸方法選択」画面が出ます。

「自己オート採寸」がA.自分で測る方法で私はこれを選びました。
この自己オート採寸は、自分の身長と体重から目安となるサイズを教えてくれますので、自分で測る場合の助けになります。

参考サイズといういわば指針があるだけで採寸における安心感が全然違います。
自分の体のサイズを把握している人はきっと少ないはずで覚えていたとしてメタボ健診で測った腹回りのサイズくらいが関の山です。
そんな人にとっては、股上や太もも、二の腕のサイズを測れと言われてもこの部位が各々どれくらいのサイズなのかそもそも検討がつかないものです。
ですので、自分の測り方と数値が正しいか不安に思うのが普通なわけで、サイズの目安が分かるだけでとても助かるのです。
また、測り方も動画で教えてくれます。
サイズ入力画面で各入力欄をクリックすると、入力欄の下に動画が現れるようになっています。

動画は数秒のもので採寸方法をコンパクトに実演紹介するものになっています。余計な説明は一切省かれていて必要最小限のわかりやすい説明のみで見るほうも楽ですね。
また、この動画はご覧の通り、サイズ入力画面と同一画面で見られるようになっているので何回も画面を切り替えたりする(画面遷移の)手間もありません。
上記の採寸ほか、肩のタイプ(いかり肩、なで肩)やお腹の出具合などを入力してサイズ入力は終わりです。
その後、Suit Ya側でサイズ確認がされます。平均データや希望スタイル、過去の採寸情報をもとにサイズに間違いがないと判断した場合には、サイズ確認完了として、オーダースーツの製作に進むようになっています。
【再チェック】 Suit Yaから再確認を依頼されることもある
一方、入力したサイズが平均値などから外れている場合には再度サイズ採寸してほしい旨の連絡がメールで届きます。
この再度サイズ採寸は注文時に作ったマイページに行くと、採寸してほしい箇所のみ入力欄が用意されているようになっています。

採寸方法はお気に入りのスーツを測る方法を案内されます。私の場合、1回目は「自己オート採寸」として自分で体のサイズを採寸しましたが、そのサイズに違和感があったので今度はお気に入りのスーツを測ってみて、ということなのでしょう。
実際、お気に入りスーツを測ってみるとSuit Yaの言った通りでした。
自分で測ったサイズは1-2cmオーバーで測ってしまっていたようで、お気に入りスーツのサイズはSuit Yaの言う目安サイズとぴったりでした。

お気に入りスーツは1着だけでなく2着を測ってみましたが、どちらも同じサイズでした(着丈73cm、肩幅46cm)。
このサイズをマイページから報告するとサイズ確認完了となり、オーダースーツ製作へと進みましたので後は出来上がりを待つだけとなります。
注文完了!オーダースーツに重要な採寸に工夫がぎっしり
ここまでが「Suit Ya
」の注文手順ですが、ご覧お通り、たくさんの工夫が詰まっていました。
オーダースーツは生地やデザインを好きに組み合わせられる自由な点はもちろん、自分の体型にフィットしたオリジナルスーツを作ることができるわけですが、ネットで注文となると「採寸ってどうするの?!」という疑問がつきなかったわけです。
しかし、目安サイズ表示や動画ガイドなど自分でも測れるような工夫が施されていたり、プロによるサイズ確認(再サイズ採寸)もきっちり実施されていたりと、ネットでオーダースーツを安心して買うことができる仕組みになっていました。
実物レビュー!着てみた感想を実物写真付きで

品物は1ヶ月半程で届きました。私の発注時の納期表示は45日となっていたので納期通りですね。
さて、ここからはお待ちかねのオーダースーツの実物の感想です。写真付きで語っていきます。
着丈ばっちり、初めてのオーダースーツで新しい着心地を知る

オーダースーツを着てみて驚いたのがその着心地でした。
いつも着ている既製服のものと比べて、身幅・胴回りが楽なのです。一方で、着丈・袖丈が長いということもありません。
私は比較的細身で腕が長いほうなので、着丈をジャストサイズで合わせようとすると、袖丈が少し短い感じになります。
そのため、いつもの感覚でいると、身幅・胴回りが少しゆったりして体が楽な感じがあったのですが、着てみると着丈が長いということはなく、ばっちりサイズでした。
この点は、上着に腕を袖に通す瞬間にも気付いたのですが、オーダースーツのほうは腕が通しやすかったです。身幅のところの空間の広さが違うのでしょう、既製服だと腕を袖口に通した後に広げるときにあった引っかかる感じがオーダースーツではありませんでした。
圧迫感がなく快適な着心地です。
この圧迫感というのも今までは吊るしのスーツしか着たことがなかったため「こういうものだ」と思い気付かず圧迫感があるとも思っていませんでしたが、オーダースーツを着るとわかります。

こういう着心地の違いなんてものは、気力体力のあった若い頃の自分には気付かなかっただろうし不要だったものかもしれませんが、このフィット感が心地良く思えるくらいに体力の衰えを感じるようになった30代の自分がいるというのは少し感慨深いです。
生地の質感、デザイン性もグッド
見た目の話です。
選択した生地は「ヘリンボーンネイビー」というダークネイビー。ヘリンボーンなので、模様はストライプが薄く入っています。

今回はどこにでも着て行ける定番のスーツが欲しかったので、暗めの色で模様も程よくわかる程度をチョイスしましたが、期待通りの色味・雰囲気になりました。
裏地はヘリンボーングレーを選びましたが、色合い・模様も地味さはなく、逆にデザイン性のある小洒落た感じに仕上がったように思えます。

裏地が分かるように幾つかポーズをとってみたのですが、一番良かったのが「斎藤さんだぞ!」ポーズだったのが我ながらジワジワきます。

着丈と袖丈のバランス、袖口から見えるシャツは無難な1.5cmに収まる
着丈と袖口の話をもう少し。私は細身で腕が長いが、着丈優先で既製服を買うので袖丈が短い感じになることがほとんどです。
一方、カッターシャツは袖丈が長いものも品揃えがあるので、長めのものを買うと、中にはシャツの袖が見えまくる状態になります。
今回オーダースーツを注文にあたって調べると、スーツの上着の袖口から見えるシャツの袖丈は腕を真っ直ぐ下に伸ばした状態で1.5cm程度見えるのが相場(シャツ自体の長さはくるぶしの下+2cm程度)のようですが、今回はまさにそのサイズになっていました。

ちょっと着こなし方が雑で右腕側のシャツがだいぶ出ていますが…
腕を曲げたときにもう少し見えるくらいですね。


改めて感想、ネットでもオーダースーツ買える時代到来
以上、オーダースーツをネットで実際に買った体験記でした。
買ってみた感想はずばり「満足」でした。
特に、私のようにオーダースーツ未経験の人にはオススメですね。やっぱり吊るしのスーツとは着心地が違います。
注文方法も丁寧な案内があるため、その手順に沿って行えばできましたし、何よりも安いです。
私の場合、オプション付けて約32,000円程度でオーダースーツが手に入ったことになります。送料も込みです。
吊るしでも一般の紳士服店だと大体これくらいかかります。よく2着購入で安くなったりしますが、それでも1着あたり24,000円くらいが相場感覚です。
そう考えると、オーダースーツが吊るしと同じか数千円高い程度で手に入れられるのはかなりお得だと感じます。
ネットを最大限活用することで、無店舗型で海外製造工場直送という仕組みを実現しているのは素直にすごいと思います。
オーダースーツに必須の採寸も、目安サイズ表示や動画ガイドが揃っていてプロによるサイズ確認(再度サイズ採寸)もきっちり行うことでカバーしています。
オーダースーツを手頃な価格で買えるSuit Ya
オススメです。