この場所、どちらかわかりますか?
上部のアコムなどの看板に記載の地名を見ると、気づく方もいるかもしれません。
この場所というのは、地下鉄谷町線東梅田駅近くのスペースなのですが、昔からシャープの広告スペースとして有名な場所です。
ご覧の通り、シャープの家電が並べられているのがお分かりいただけると思いますが、この場所は実は大きな変化があった場所でもあるんです。
どんな変化があったかというと・・・
こちらの画像を見て「あぁーっ!」と思い出した方、結構おられるんではないでしょうか??
そう、こちらのスペースにはシャープの代名詞でもあった液晶ディスプレイが並べられた巨大ディスプレイスペースだったわけです。
それがいつの間にか変わっていたことを発見しました。
この変化は広告ウォッチャーから見ると「変わるべくして変わった」と思わざるをえないとても印象的な出来事でした。
変わった理由はきっとあれ
変化に気づいたのは、この2月(2017年2月)のことでした。
それ以前2016年9月にこの場所を通り過ぎたときには液晶ディスプレイの広告だったので、およそ5ヶ月の間(10月〜2月)に入れ替わっていると思われます。
本当にごく最近の出来事なのです。
さて、シャープといえば、皆さん何を思い浮かべますか?
ここ最近のシャープといえば、やっぱり経営不振に伴う買収劇が注目を集めましたよね。台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業によるシャープ買収がここ数年紙面を賑わせていました。
買収が正式に決まったのは2016年4月、そこからシャープ本社の移転(西田辺→堺)が7月、鴻海精密工業から新たにシャープの社長を務める戴正呉社長が送り込まれたのが8月です。
この経営の変化というのがこの広告スペース刷新に影響しているのは確実です。
時代は変わる、シャープの隆盛と衰退の10年
シャープの業績不振というのは液晶パネルの生産工場への巨額投資からきています。液晶ディスプレイが好調だった約10年前に、さらなる需要を当て込んで、他社を突き放す程の巨額投資を行いました。その投資でつくられたのが堺にある工場です(堺ディスプレイプロダクト)。
会社として液晶パネルに投資しまくっているように、広告も液晶ディスプレイを前面に打ち出したものが多かったのです。
しかし、液晶パネル事業は引き続きやっていくとしても、会社としては液晶パネル以外にも、エアコンも冷蔵庫などの家電もあるし、昨今話題のIoTもやっています。過去の液晶パネルに突っ込みすぎた反省もあるのでしょう、家電やIoTも宣伝しようとなったことは時期的に考えて間違いないでしょう。
さて、いつから液晶ディスプレイの広告だったのでしょうか。もっと言うと、いつからこの場所がシャープの広告スペースだったでしょう。
正確な時期は不明ですが、私が大阪に縁あってこの場所を通り始めた10年前にはすでに液晶ディスプレイだったと記憶しています。2007年頃のことです。
その頃といえば、誰しもが「亀山モデル」という言葉を一度は耳にしたことがあると思えるくらいにシャープに勢いのあった時代です。
それから10年ですっかり時代は変わったのです。そして、広告も変わる。
広告というのは実は、その会社の過去と現在、未来が垣間見えるものでもあるのです。会社が考えていること、今後どうなっていきたいかが分かるものなのです。
普段、多くの人は何の気なしに広告を見ていると思いますが、注意してずーっと見ていると、このような変化にすぐに気付きます。
こうした変化に気づくのって楽しいもんです。
何に役立つのか?
そう聞かれると少し困りますが、こうしてここまで読んでくださっている読者の貴方の知的好奇心にはそれなりに応えられているのではないかと思いますし、日常の一つの楽しみ方を提供できているのではないかと思います。